保育施設での
取り組み
職員の意見を優先 発言しやすい環境
青雲保育園
園長 青山 敬正 先生
保育現場の取り決めなどについて、職員の意見を尊重し、その意見や要望に可能な限り園長が応えるボトムアップ型の体制をとっている。意見が言いやすく、風通しがよい職場環境のため職員の定着率が高く、30年以上勤める職員も在職している。(2021年8月取材)
- なぜボトムアップ型の体制をとっているのですか?
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私が保育士ではなく、保育現場のことは保育士が一番よく分かっているからです。昨年、コロナ禍で運動会の開催方法を考えるとき、幼児組をクラス単位に分けて行うことが職員会議で決定。感染リスクを避けるため、私は無観客で実施すればいいと思いましたが、保護者の気持ちに配慮した現場の意見を優先しました。園長の私が発言すると従わなくてはならないので、最初に職員の考えを聞くようにしています。
- その他に職場環境の改善のために行っていることは?
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職員が休みを取得しやすいように、現場に職員を多く配置し、理由を言わなくても休めるようにしています。2019年に新園舎を建設したときには木の温もりが感じられる居心地のよい建物にし、職員がくつろぐ事務室と休憩室のスペースを広々とした空間に拡張。各教室に子ども用と職員用のトイレをそれぞれ設けました。
- 保育で力を入れていることは?
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広島県教育委員会による『乳児保育における5つの力の育み事業』に昨年から協力しています。乳幼時期に育みたい「うごく力」「人とかかわる力」「考える力」「やりぬく力」「感じる・気づく力」が、子どもたちの動作にどう働いているかを研究する事業です。職員が子どもの力や動作をさらに注意深く観察するようになり、子どもたちの姿や育ちの捉え方について園全体で〝対話〟する時間が以前より増えています。
- 今後の課題は何ですか?
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家庭がある職員に休みを譲ることが多い若手職員の有給取得率を上げることです。現在は、子どもの数が減る盆期間を夏休みとしてまとめて休めるようにしたり、最低1時間から気軽に取得できるようにしたりしています。これにより取得率は上がっていますが、さらに取得しやすいように改善を進めていきたいと考えています。
掲載日:2022年10月01日